2019年度 前期
下記の講座を開催しました。
飛騨市誰でも自主講座(2019年前期)
Microsoft Excelのマクロを使って事務処理効率化を目指そう
概要説明
講習会では「EXCELマクロ」という文言で説明を開始していますが、厳密には
「VBA( Visual Basic for Applications )の略」のことで、 MicrosoftがMS Officeの拡張機能として提供しているプログラミング言語です。
マクロという名称の方が昔からEXCELの標準機能として有名だったためあえて使用させていただいています。しかしマクロとVBAは同じものではなく異なっていますので、正しく理解するため違いを明記します。
マクロとは?
マクロとは、本来「コンピュータの処理を自動化する技術」の総称で、Microsoft社の用語ではありません。しかし、現在ではMS Office上で処理を自動化するための機能の名称として知られています。「自動化する技術」って何かというとEXCELの中で何かしらの操作をテープレコーダーに音声や映像を記録するかのように記録が出来ることです。記録できた操作履歴はあとで再生できます。このことが自動化する技術として相当古くからEXCELには備わっていました。
MS Officeでは、リボンに表示された開発タブ(デフォルトでは表示されません)に「マクロ」とあり、その中にマクロ機能やVBAのコマンドがまとめられています。それが、マクロとVBAが混同されがちな理由です。

VBAとマクロの差異
VBAは、マクロを作成するためのプログラミング言語です。ユーザーがExcelでマクロを作成すると、Excelの内部でプログラミング言語であるVBAに変換されて保存されます。つまり、VBAはマクロを作成するためのプログラミング言語の一種です。
マクロはあくまでも手順を記録し、実行するための機能です。VBAは、マクロを保存してアプリケーションに正確に伝えるためのプログラミング言語です。マクロで行う処理はVBAで保存されています。
VBA習得メリット
繰り返し行う作業や複数のシート・ブック(ファイル)操作をVBAで自動化しておくことで、業務や作業を効率化できます。毎日、毎週、毎月必ず行う業務や、手順が複雑な処理などは、VBAでの自動化に向いています。 今回の講習会ではどういった場面で有効なのかを実例とともに説明していきます。
自動化できるメリットは即工数に反映します。例えば
- 社員勤務簿作成に1週間かかっていたものが30分で完了。
- 統計処理に1日かかっていたものが、10秒で完了。
など当たり前に効果が期待できます。且つ正確です。人間と違って間違いません。(但しプログラムが正確であればですが)
これまでに作成したマクロプログラム例
以下に様々な業務内で作成してきたEXCELマクロを使用した効率化・合理化例を示します。そもそも効率化する仕組みの提供をしているだけなので、人間が作成する以上に素晴らしいものが出来るわけではありません。人間のやっていることを一瞬のうちに実施してしまうという効果が全てです。ですので人間がやっていることの正確な情報がプログラムに含まれている必要があります。プログラムの動作(仕様)は全て人間が作成しなければならないことが重要なポイントです。最近プログラミング教育が義務教育化されましたが、この「仕様」作成能力を教えることが教育化されている部分になります。
最近よく耳にするAI(人口知能)は自ら(コンピュータ自身)の経験をもとにさらにプログラムを高機能化出来る能力があるということですので人間を超えていく事が想定されます。人間対機械の戦争はSFの話ではなくなる日もそう遠くは無いかもしれません。
共有ファイルサーバーフォルダ階層構成解析ツール
職場によってはファイルサーバーシステムがありそのサーバー内に様々なフォルダが作成され、各種ファイルが保存されていると思います。特に新人がどのファイルに対してどのような処理を行うのかといった業務指示があるとどこを探せばいいのかや他に関連する資料は無かったのかやとても不安になるものです。そういった職場では、個人PCのデスクトップにショートカットだらけのファイルが張り付けてあり、そこから目的のファイルを探している状況が見受けられます。元のファイル名称を変えたり(Ver番号を付加するなど)すると突然 ショートカット していたファイルが見つからなくなります。そこで下記の「フォルダ階層構成解析ツール」をEXCELマクロを使用して作成しました。
このツールにより無駄なファイルも見えるようになり、年々肥大化しているファイルサーバーの大掃除ができました。もちろん新人メンバーの不安も解消できました。

アンケートを集計しWEBページ自動作成
大学生徒に行われたアンケート結果を校内WEBページに自動的に公開する仕組みをEXCELマクロで作成した事例です。アンケート数は約400名分もありますのでこれを1つ1つ処理していたらとても大変なことです。この処理をEXCELマクロで自動化すると10分もかからず公開可能なWEBページが出来てしまいます。

EXCELからWEBページ変換マクロ取説
下図のマクロ取り扱い説明書を作成し、操作者に注意を促しています。

マクロ起動パネル例

インデックス一覧ページ作成例
下図は「インデックス一覧ページを作成」ボタン押下で自動的に作成されたWEBページ例です。これらのマクロ作成にはマクロプログラミング以外にHTML言語についてもある程度知識が必要ですが、EXCELマクロは他の言語や仕組みと連携して動作させると本当に色々な作業の効率化が期待できます。

講習会まとめ(2019/05/26 日曜日)
講習会にご参加いただきました皆様。大変お疲れ様でした。講師が不慣れなこともあり色々行き届かないところが多々ございましたこと心からお詫びいたします。
第二回目講習会では、基本的なプログラミングについてご説明までに終わってしまいましたが、ぜひ問題集を自力で(インターネット等参考にしても可)解けるかどうかお試し下さい。そこでどうもよくわからない、何か思い違いをしていないか等ありましたらご遠慮なくご質問等下さい。出来る限りご説明させていただきます。
さて講習会席上で「グループウェア」について少しお話させていただきましたが、もし皆様の職場にそのようなものは無いのであれば無料のシステムがありますので導入をお勧めします。これまで私が勤務した企業等(特に大学や、塾、ベンチャー企業)でそのようなシステムが無かった事業所では大変喜ばれ社内、学内コミュニケーションツールとして利用されています。何よりも「無料で始められる」というのが嬉しいです。
何が出来るようになるのかやどういったものなのかは下記参考URLでご確認下さい。
なお導入には専門知識を有するIT技術者が必要なので、私でも良ければ(メーカーの有料版もあります)ご相談下さい。皆様の就業環境に合わせた導入をサポートさせていただきます。
グループウェア名称:GroupSession
GroupSession機能の説明をわかりやすい動画でご紹介 https://groupsession.jp/support/tutorial.html
他にもまだまだ有益な情報をご提供したいところですが、次回講習会を開催するのかどうかや飛騨市取り組みに助成できるのかどうか等検討し、また皆様とお会いできることを楽しみにしています。色々ありがとうございました。
飛騨市誰でも自主講座(2019年後期)
- 1. 講習会スケジュールと概要
- 2. 様々な会社ドキュメント
- 3. ISO規格から学ぶものとは
- 4. 報連相(ほうれんそう)が企業の標語だった
- 5. グル⁻プウェアと社内情報共有化
- 6. お役所ことば(文書)とは
- 7. お役所が「お役所ことば」を見直しています
- 8. 特許文書で見えてくるものとは!
- 9. CONTACTフォームはこちら